実施報告:シンガポール演奏旅行(2023年3月)

海外派遣事業

埼玉国際音楽交流協会では、海外派遣事業として2023年3月21日(火)〜29日(吹)にかけてシンガポール演奏旅行(Fudooka Wind Orchestra/FWO)を実施しました。
新型コロナウイルス感染症による渡航制限が解除されてから間もない時期の高校生による海外演奏旅行に際して、当協会が様々なサポートを行いました。

交流1:アンダーソン中学吹奏楽部

アンダーソン中学校は、シンガポール北東部に位置する公立校で、日本の中学1年から高校2年生までに相当する生徒が在籍しています。地域からの評価は高く、有名大学へ進学する生徒もいます。このバンドの指導者であるレスター・リム氏は、たびたび来日する知日家です。2018年にアンダーソン中学校吹奏楽部が来日した際には、当協会の主催により日星交流演奏会を開催しました。

合同練習

3月22日と24日の2日間にわたり発表会に向けての練習を行いました。
最初は、英語での会話に苦労もありましたが、練習を通じて次第に関係が深まっていきました。

合同演奏会:Harmony of Friendship

3月25日には、アンダーソン中学校吹奏楽部との合同演奏会「Harmony of Friendship」が、開催されました。
アンダーソン中学校吹奏楽部とFudooka Wind Orchestraそれぞれの単独演奏に加え、両団体の合同演奏も行われました。

会場となったアンダーソン中学校の講堂には、アンダーソン中の生徒や先生、地元の吹奏楽関係者などで満席となり、大変な盛り上がりのなか、成功裡に終えることができました。

授業体験

アンダーソン中学校での経験は、吹奏楽のみにとどまりません。3月27日は、参加者がアンダーソン中学校の生徒に交じって、授業体験の時間を持つことができました。
すべて英語で行われる授業は、内容の理解が難しいこともあったようですが、異国での授業参加というめったにできない貴重な経験をすることができました。

シンガポール国軍軍楽隊駐屯地訪問

3月27日は、さらに特別な経験がありました。
アンダーソン中学校吹奏楽部のメンバーとともに、シンガポール国軍のニー・スーン駐屯地を訪問し、シンガポール国軍軍楽隊を訪問する機会に恵まれました。外国人の吹奏楽団がが同軍楽隊を史上初のことだったようです。
同軍楽隊が本拠としている「ホワイトハウス」を見学したほか、中央音楽隊のメンバーの前で演奏を披露したり、ともに演奏するという得がたい経験をすることができました。

シンガポール国軍軍楽隊訪問時の写真は、すべて許可を得た場所で撮影したものです。
All the photography during the SAF Band Camp was done with permission.

交流2:ラッフルズ女子中学吹奏楽部

ラッフルズ女子中学校は、シンガポールの創設者である東インド会社のサー・トーマス・ラッフルズの名を冠するシンガポールのトップ校です。多くの生徒がシンガポール大学や海外有名大学へ進学します。シンガポールの未来を牽引する若者たちと実りある交流を行いました。

パート練習

1日目の交流活動は、3月23日に行われました。
この日は、パート練習からスタート。ラッフルズ女子中学校の生徒たちは、練習の前に、簡単なゲームなどを用意してくれていて、あっという間に打ち解けることができました。

合同リハーサル

コンサート・ホールかと見まがうかのような、ラッフルズ女子中学校の立派な講堂で、コンサートに向けてのリハーサルが行われました。
ラッフルズ女子中吹奏楽部の指揮者である、セォウ・イーピン先生は、何と日本語で合奏! 日本の参加者達はとても安心して合奏に臨むことができました。

合同演奏会「WANDERLUST」

3月25日に、合同演奏会「WANDERLUST」が開催されました。
ラッフルズ女子中学校吹奏楽部、Fudooka Wind Orchestraそれぞれの単独演奏と、両校の合同演奏とを行いました。学校の講堂には、多くの生徒や保護者、学校関係者などが詰めかけ、演奏に暖かな拍手が送られていました。

ラッフルズ女子中は、シンガポール・ユース・フェスティバルの自由曲として演奏する《梁塵秘抄~熊野古道の幻想》(福島弘和作曲)も披露、シンガポールで日本の作品が演奏されている場面にじかに接することができました。

おわりに

今回のシンガポール演奏旅行を通じて、通常の観光旅行では決して体験することのできない経験をすることができたと確信しています。とりわけ、10代のうちに見聞を深めることにより、その先の人生にプラスの影響をもたらすことでしょう。

当協会では、若い世代の音楽を通じた国際交流活動を促進すべく、海外団体の受け入れのみならず、海外派遣事業にも積極的に取り組んでまいります。

これまでの取り組みで積み重ねてきた経験や人的ネットワークを活かし、参加者の皆さんにより充実した体験をしてもらえる交流活動を今後も企画してまいりたいと存じます。

今後とも、当協会の事業にご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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